[調査研究]ウズベキスタン、ブハラの写本 2017.5

[調査研究]ウズベキスタン、ブハラの写本(おそらく詩)
3月20日の中日新聞朝刊に掲載して頂いたウズベキスタンのサマルカンドペーパーの記事に対して、同様の紙の古い本の蔵書があるとの連絡を頂き、紙の繊維の写真などを撮影させて頂いた。日本では、博物館などでもなかなかイスラムの写本は見つからない。今回は、所有者のご厚意により撮影と、じっくり観察させて頂くことができた。
作成された年代は不明。
 写本、外観1
写本、外観2。革張りのような装幀だが、おそらく擬革紙。

表紙部分、型押しによる擬革紙。

表紙の剥げた部分を、拡大撮影。

写本。中身。

紙を透かして見た。簀の目はやや不規則。おそらく金属の簀ではない。

紙を透かして見た。若干の漉きムラあり。また1冊の製本で中でも紙質が若干違う。また、写本の筆跡も異なる。

黒いチリのようなものや、木質のチリのようなものが含まれる。

繊維のしっかりと圧縮されている。紙の密度は高い。チリのようなものも含まれる。

インクがの乗っている部分。

細かい青い繊維が含まれる。

同様に、細かい青い繊維が含まれる。
大きな青い繊維も混ざっている。茶色いチリも含まれる。

 

ここからは、比較対象の紙として、その他のサマルカンド紙と和紙。

1,サマルカンド紙、コーラン。きめ細かい紙のサンプル。

2,サマルカンド紙、タシケントにて提供して頂いたサンプル写真

3,サマルカンド紙、タシケントにて提供して頂いたサンプル写真

4,サマルカンド紙、タシケントにて提供して頂いたサンプル写真

5,楮紙、三河森下紙

このように、和紙と比較すると繊維構造が違うことが明らかである。

以上。WEBサイトでは、ご協力者様のお名前は掲載致しませんが、貴重な紙をじっくり見せて頂き感謝申し上げます。